<杉村さんが有機でサラ玉をつくるワケ>
坂西:出水生まれですか?
杉村:いや、外国です(笑)。台湾で生まれて、5歳か6歳の時に引き揚げてきて。貧乏人だったからね、入植で。親の里が熊本県だから戻ってきて。
坂西:それからみかんを作ってたんですよね。みかんの農薬で体を壊したと聞きましたが?
杉村:それかもしれん。わからないのそれが。だいたい弱かったのかわからない。
坂西:杉村さんはずっと有機栽培でやられているということですけど、最初のきっかけは?
杉村:東京にいる時、千葉県は有機にうるさいところで、マーケットによく出ていた。それ見て、あーこのぐらいの野菜なら私にも作れると思った。体にもいいからね。
坂西:体が弱いということと、有機というのは関係はあるんですか。
杉村:うん、自分のためと、ほら、一緒のものを作って、消費者にやれば、という気持ちで。だって難しいもんなー、自分で食うだけ有機で、他のは慣行でってのは。どうしても、自分たちは売った残りのを食う。型が悪いのとか。有機一本の方が体は楽。薬とか使わなくていいでしょ。あれば使いたくなるもの。人間だから。
坂西:農薬をふるというのは、やっぱり大変なんですか。
杉村:そんなにきついってわけじゃないけど、やっぱり知らず知らずに体にたまっていく。畑でもおそらくそんなかんじだろうな。
坂西:いつの間にか蓄積して、病気になったりしてということもあるでしょうね。
杉村:みかん農家も昔はぼんぼんかけてたから具合が悪くなった人も多いだろうけど、今は植木農家が多い。体が続かん、減らさなって。少々葉に穴があいてたって、どうってことないもんな。
<杉村流、サラ玉の作り方〜有機と慣行の違い〜>
坂西:杉村さんは、苗を自分で育てているんですか。
杉村:そう、苗を買ったら高いし、自分で育てた方がいい苗ができるから、自分で作るんだけど。今年は台風の被害があって大変(笑)。
坂西:有機でのサラ玉栽培で大変な所とかっていうのは。
杉村:植えた時に大きくならないのがな。化学肥料入れれば、ばーっと大きくなるんだけどな。堆肥や油粕じゃそうはいかない。最初は知らないから、ばらばらって蒔いてた。この頃は一ヶ月ぐらい前から入れておく。化学肥料と違って、じわーっと大きくなるから。5月頃はもう大きすぎるくらい。
坂西:肥料としては、堆肥、油粕ですか。
杉村:それと灰とな。鶏糞を焼いた灰。灰を入れないとカリ分がないもんだから。
坂西:除草が大変ですよね。広いですもんね。
杉村:そう。除草が3、4ヶ月かかる。だから溝は管理機で。したら、少し残るでしょ。後はしょうがないから手で。
芳田:管理機って何ですか?
杉村:耕運機の小さいやつ。おもちゃみたいなやつ。今は農家ならどこでもある。
坂西:農薬や化学肥料を使う使わないでは、出来はどう違うんですか。慣行では結構使うんですよね。
杉村:農薬は苗のときに使うだけやな。普通の慣行栽培はなー。あー、出荷の前にまたかけるかもしれないな。有機の肥料を使わないで、化学肥料を使うと実がちっと固まるわけ。完全にそれはわかる。全然知らない人に食べさせてみてもな。子どもが一番ようわかる。これは辛いって。おんなじ品種でも、有機で作ったのと、化学肥料で作ったのとは辛さが違う。
坂西:子どもの舌は敏感ですもんね。堆肥はお一人で撒くんですか?大変な作業ですね。
杉村:うん、堆肥は重いからね。だからみんな化学肥料を使いたくなる。化学肥料やったら、ちょっとやればいいでしょ?だけどこの前な、化学肥料を使う人も、やっぱり堆肥を少し入れたほうが良いって言って、堆肥使いだして。そしたらやっぱり野菜がおいしいって(笑)。
<サラ玉のおいしい食べ方♪>
坂西:味が良いサラ玉とは?
杉村:やっぱり生で食った時に、鼻につーんとこないのがいいんじゃないのかなと思うんだけどな。
坂西:サラ玉はやっぱり生で食べるのがおいしいですよね。
杉村:そうそう。でも調理用に使っても変わらないわけ。たまに、サラ玉をカレーに使っていいですかって聞かれる時があるけど、普通のたまねぎと一緒なんだけどね。甘系で辛くなくって。だから、おいしいんですよって。
坂西:サラ玉はどれぐらい持ちますか?
杉村:傷さえついてなかったら、1ヶ月や2ヶ月はどうもないんだけどな。箱の中に入れたままはだめだけど、風通しの良いところに出してさえおれば長く持つ。だって普通は4月5月に取ったのを、7月、8月まで出荷するんだから。
坂西:杉村さんがサラ玉を食べるのに、一番好きな食べ方というのは。
杉村:生で食べるのが私は一番好きだな。スライスしたたまねぎとワカメと混ぜて、マヨネーズとしょうゆをちょっと香り程度に。それかドレッシングで。私なんて取れたての時は焼酎飲みながら、ボール一杯食べる。
坂西:それはおいしそうですね。ぜひ今度ご一緒させて下さい。今日はありがとうございました。 |