機関誌 ごんずい 46号
目次
特集 実践グリーンツーリズム…・2
グリーンツーリズム実践報告/遠藤邦夫……4
座談会 水俣のグリーンツーリズムを考える/天野茂・
久木田美和子・遠藤邦夫・神沢聡・小里アリサ…・8
教育旅行とグリーンツーリズム/吉永利夫…12
水俣への長い旅/東昌宏……・14
98年夏 ごんずいのがっこうのご案内……・16
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わたしのこと/神沢聡・・17
新連載 21世紀に向けて水俣は何をするのか 第一回
リサイクルまつりからエコメッセへ/遠藤邦夫・・18
書評 魚湧く海……・20
無農薬新茶のご案内……22
相思社のグリーンツーリズム業務紹介……23
>グリーンツーリズムは、新しい旅のかたち
消費的ではなく、
自然と人が織りなす風土と生活文化に触れる旅
訪れる人も受け入れる人も満たされる関係性をつくる旅
水俣にグリーンツーリズムのまなざしは根づくだろうか?
まずは、やってみなくちゃ始まらない
水俣の実践グリーンツーリズム
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>グリーンツーリズム実践に参加した人々
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(一)新人職員神沢の「日記・メモ」と古狸職員遠藤の「日記」から
三月三日に相思社グリーンツーリズムの実践編として、薄原・吉本家の有用植物の探索、日当野と住吉神社ぶらぶら歩き、天野茂さんの案内による石飛巡りを行った。
>●農家の庭先は有用植物だらけ
農家と言えば、米や野菜を作るのが仕事だが、そのフィールドはたんぼや畑だけではない。庭先には日頃の食事や、ハレの行事に使われる植物がある。また近くの竹薮や野山も食材や生活用具の宝庫だ。農家を農業生産者とみなすのは狭い見方だ。グリーンツーリズムは、農家のその仕組みを楽しむことでもある。
[神沢日記]
これまで、草がある、木がある、花が咲いているというように景色全体としてしか目に映らなかった、というより気にも留めなかった。正直なところ「どうでもよかった」植物たちが、これは南天だね、漢方薬になったり防腐剤の役割で赤飯にのせたりするんだねと。一つ一つが個性を持った、コントラストの強い風景として見えるようになり、もっと知りたいとも思うようになった。
[遠藤日記]
庭先での会話、「まず大事なのは方角だな、どっちが南だ?」、一同「???」。「時計だしてみろ、今の短針を太陽に向けて、それと十二時の中間が南になる」。「農家のゾーニングは、庭が南で、畑は山の側で、たんぼは家の下あたりだな。そうなっているだろう」と『わたしの地元学』の著者、吉本哲郎さんは宣う。そんなこと意味あり気に言うけど、事実を言葉にしただけじゃないと思っていると、たたみ掛けるように「形には意味があって、それを理解しないで形を変えると、意味まで変わってきてしまう」。うーん、そつがない。
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>有用植物をワークシートに記入した。探せばもっとあるかもしれない。
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>●小宇宙としての日当野
日当野は山の中の小さな盆地で、真ん中が水田で周囲に家が点在している。別に特別なものがあるわけではないが、訪れた者は時間がゆっくり流れているような錯覚に陥る。
[神沢メモ]
境内で吉本さんの語り
- 山の神のある場所は次のような所だ。@アニミズムとしての山の神をそのまま保っている。他の自然神はなく、単に石とか木だけがある。A石のほこらなどがあり中には石などが祀られている。また、作の神、田の神などに変身している。B立派な社がつくられ、山の神は片隅や奥に追いやられた格好になっている。でも元々は山の神の祀られていた地形。立派な社の神は、全国統一を象徴する紀記神話の世界の神が多い。
- 生えている木 こうようさん、いちいがし、ゆすのき(南方系、灰はアク抜きや焼き物の釉薬に使う、器や箸などの木工用の材料にも)
- 相撲場 今も奉納相撲がある。何故東と西に分かれて相撲をとるのか?太陽や農耕などと深い関わりがあるようだ。
- 神社には横・奥がある。奥には山の神。これは神というより森の精霊スピリッツ。仏教を剥げばわかる森の恵みへの原初的な信仰。アニミズムの世界。「神」ではなく「上」に近い。「カミ」と書くしかない。
- ご神木 縄文時代には、人はまた人に生まれ変わる、循環すると考えられており、このような木をたどって魂が降りて来るとされる。
- 鳥居 鳥が居ると書くけれど、鳥は神様の乗り物。昔は、集落の守り神・魔除けとして村の入り口にあった。昔の時代劇を見ると、柱を支えるような別の柱もある。
- 注連縄 豊穣を想起させる蛇が交尾しているところを形どっている。二つ垂れ下がっているものは鬼の眼をあらわし、魔除けの意味があるようだ。
[遠藤日記]
「日当野はもともと山際の染み出し水を利用していたが、現在では域外の水を引いている」「現在でもたんぼは染み出し水を利用しているから、たんぼに機械が入らない。田植えも手植えだし、だからここには結いの仕組みが残っている」と、案内してくれた吉本さんはきっぱり言い切った。何でそう言えるのかなあ? これは次回の課題にしておこう。
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align="center">日当野のランドマーク、
大イチョウ。夏の風景
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>●石飛と天野さん
天野茂さんが暮らす石飛は、水俣市の東の端の高原地帯にあり、お茶や高原野菜の栽培が行われている。一月には積雪二五センチ!という日があり、家族総出で雪遊びに興じたらしい。天野さんは戦後入植の二代目だ。まあ率直に言えばへんぴなところだけれど、だからこそいろんな遊びや暮らしの楽しみ方を知っているように思う。近くの湿地では珍しい昆虫や植物が観察できる。
[遠藤日記]
天野さんちの庭にいろりを備えた小屋が完成していた。新築といっても材料はリユースだ。骨組みはそこらに置いてあった古い材木を使い、窓や入口は学校の校舎の廃材をもらってきたものだ。新しいのは屋根を葺いたトタンだけだ。真ん中に石を組んだいろりがあって、大きな薪が豪快に燃えている。その上には自作の自在カギがぶら下がっていて、イノシシ鍋が掛けられている。もちろんイノシシも天野さんが近くの山で捕まえたヤツだ。
みんなでそこに入って座ってしまえば、イノシシの話、お茶の話、土器の話、新しいいろりやこの茶屋を作った話、もう次から次へと話に花が咲いて、おにぎりや煮しめやクレソンのゴマ和えを食べながらだと、お尻に根が生えて動けなくなる。ボーとした至福の時間を過ごす。
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align="center">シシ鍋を黙々と食べる参加者。
火を囲んで食べるのは楽しい
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(二)研修を振り返って
[神沢日記]
グリーンツーリズムへの取り組み方として、吉本さんから指摘を受けたことの中で二つほど印象に残っている。一つは、私が「全国一般では」と言ったときに「全国一般なんてないんだよ」と返されたことであり、もう一つは、「標準語ばっかりだな、水俣の言葉でというのが重要だ」と言われたことである。 もっともなことであるが、私にとってそんなに簡単な話ではなく、やはりグリーンツーリズムというのは私の苦手分野だと思わざるを得ない。しかし苦手ではあるが、野外活動は嫌いではないので有用植物のことを習得することは憧れでもある。
「遠藤日記」
やっぱ案内する人が楽しんでることが、案内される人の興味を引き出すと日記に書いておこう。
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>だいごろ祭。木製の車、
だいごろで斜面を一気に
駆け下りる
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(三)相思社がグリーンツーリズムを始めるわけ
「ごんずい」で、水俣のあちこち、石のある風景、水俣川、食べ物、人々、施設などの紹介をしてきた。今まで水俣病のことしかやってこなかった相思社が、水俣病だけではない水俣の紹介を熱心に行うには訳がある。
水俣出身の民俗学者谷川健一氏のこんな文章がある。
「水俣に住んでいる人間にとっては、要するに水俣病よりは水俣が大きいわけです。水俣というのは広いんです。水俣病というのは、その中の月の浦だとか茂道だとか一帯に発生したものであって、問題としては大きいかもわからない。しかし感覚としては水俣のほうがぼくたちには大きい。小さい町であっても。そういう中にぼくたちの思い出が篭められているし、そういうハーモニーの中の破綻が水俣病であって、全体にハーモニーがあったから破れるわけです。…感覚的に自分たちを育ててくれた風土というものがあって、その風土と自分たちの有機的なつながりというものがあったのが、そこが切れたということですね」(『わが死民 水俣病闘争闘争』石牟礼道子編、現代評論社 一九七二)
長い引用になってしまったが、水俣のグリーンツーリズムはこの視点が大事だと思う。
>グリーンツーリズムって何?
- 小里
- グリーンツーリズムを巡ってみなさんがやっていること、感じていることを出していただいて、水俣のグリーンツーリズムを考えていきたいと思っています。まずは、先日の相思社のグリーンツーリズム研修について、久木田さんは参加していかがでしたか?
- 久木田
- 私、グリーンツーリズムが何だか、まだわからないんです。それでついていけば何かわかるかなと思ったけれども、どんどんわからなくなってきました。
- 遠藤
- 実は僕らもよくわかっていないんです。だから、先にこうだと言った方が勝ちかなというのがあるもんですから。
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>天野茂
一九五三年、水俣市石飛に生まれる。
無農薬の緑茶や紅茶の生産に力を入れ
ながら、石飛のグリーンツーリズムを育
てようとしている。
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>田舎と都市の交流から
- 天野
- グリーンツーリズムって、田舎のよさを都会の人がよくわかって来てもらうことかなっち思うですけど、逆に今度は人が来て交流することで、田舎の良さも自分たちが確認していくですたいね。ああ、すごいんだと。やっぱり自信を持っていくんですよ。これは急にはいかんもんだから、結構年月がいるんですよ。私たちもだいごろ祭とかしながら、いっぱい人が来るんで、ああ、石飛の何かがよかけん来てくれらすとたいなと。その何かが何かなと自分たちで考えるようになってきてるんですよね。お互いに刺激になってる。
- 遠藤
- だいごろ祭は年々規模が大きくなって大変だなあと思うんですが。何年目になりますか?
- 天野
- もう七回。だいごろ祭は、行事をするというのが一つのきっかけになって村の者が寄れる、寄らないかんということです。そん中で意見が違っても意見が出るし、出せるわけですたい。それだけでいいと私は思っとる。
- 小里
- 違いを出せるというのは風通しがいいことですね。
- 天野
- そうですね。うちは開拓で寄り集まりだから、上下関係は全然なかです。それぞれ農業をやって自立してますから。だから意見が出る。だけん、私はここのところは石飛はいいなって思うとります。意見が違うのは当然だというところから、スタートしていますから。
- 小里
- だいごろ祭とは別に、天野さんは囲炉裏のある小屋を作ったりと独自にいろいろなことをされてますよね?
- 天野
- 私が囲炉裏とか酒飲む場とかっていうのは、求めてくる人に対してはどんどん話せる場が欲しいと。最初から市やどこかに対してあれを作ってくれ、これを作ってくれと話はあるんですけども、やっぱり、その前に自分たちがこれがいいんじゃないかと思っていたやつを確認せんばいかんですね。だから個人で今は試験的にやって、その中から学んで「ああ」という雰囲気がつかめればまた、地域で取り組んでもいいだろうし。だから、段階を追っていかんといかんと思うとです。
そして、ただ寄って酒飲むじゃなくて、寄って話せばいろんな話が出ますから。でも、地域のもんだけが集まっても同じでしょ。いつもネタは一緒ですから。やっぱり違う人が来てもらって話をしていけば、その人からどんどん知恵をもらって、地域の考え方が高まっていくかなあという。よそから来てもらって交流をしていって自分たちが吸収していく場所がないといかんなという思いが前からあったもんだから。
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>久木田美和子
一九五七年、芦北町大野に生まれる。
水俣市役所勤務。市報の担当として、
水俣中を駆けめぐった。
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>昔のままの風景を求めて
- 小里
- 石飛に来る人は、何を求めて来るんでしょうね?
- 天野
- うちの茶屋のノートなんか見ると、来た人は何もないちゅうか、昔のまんまの風景があることに感動しとらす。今、あまりにも時代のスピードが早かけんですね。だけん、何にもない場所というか、時が止まったような雰囲気がホッとすっとでしょうね。
- 小里
- 棚田とか、昔ながらの農村風景とか、時間をかけて地域の人たちが作ってきたものが壊れずに残っているといいなあと思いますよね。そこにかけた時
間が感じられる場所にホッとするのかなあって思うんですが。
- 天野
- 住んどる者は何もないけん、あれば作ろい、これば作ろいというのがあって、いや、このままがいいという人とはっきり別れてるんです。田舎の良さってなかなか地元ではわからんですよね。そこに住んでる人たちから見れば、「よそから来ればそりゃよかったい。けど、ずっと住んでりゃ大変よ」ちゅう感じですたいね。
- 久木田
- 私は実家に帰る度に嫌いになるんです。家の周りをコンクリやベニヤで妙な変え方をしてしまうから、村の様相が変わっていって落ち着かないですね。長期的に考えて手を入れていくのはいいんですけど、バラバラに修理していったりして、しなきゃいいのにというやり方が気になります。だから自分の田舎の、人が住んでいる部分はあんまり好きじゃない。野に出れば変わっていなくてホッとするんですが。でも、風景だけあってもだめなんですよ。私が石飛が好きなのは、そこにいる人に会うことがホッとするというのがありますよね。
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>神沢聡
一九六三年、兵庫県神戸市生まれ。
「水俣病と私」を考えるために水俣に
来たのにグリーンツーリズムの世界
に投げ込まれ、頭の中は?だらけ。
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>人と食べ物と滞在が大事
- 小里
- グリーンツーリズムでは、人に出会うことも大事だと思うんですが、久木田さんは市報というお仕事で、たくさんの人に出会っているんじゃないですか?
- 久木田
- 本当にありがたいことにそうですね。前に水俣に移住希望を持った方を案内してくれと言われたんです。よそから来られた先輩格の女性に電話して、いろんな人に集まってもらってそこにぶち込んだら、四時間ぐらいみんなぶわーっとしゃべって。結局、どこも案内できなかったんですけど。(笑い)いろんな案内の仕方があると思うけど、人と人とをジョイントさせられる人も必要ですよね。私はそれしかできないかな。
- 遠藤
- それができる人は少ないですよね。人と人は両方わかってないと難しいですから。
- 小里
- それとやっぱり食べ物も大事ですよね。
- 遠藤
- この前の環境水俣賞授賞式のパーティーで出た、薄原の農産加工場でおばちゃんたちが作った寿司だの煮しめだのキンピラだのって、とってもうまかった。水俣のもてなしとすれば、あれは最高ですよね。市長は「お金がなくて」なんて言ってたけど、あそこで京風懐石なんて出されても感動がないよね。
- 久木田
- でも、煮しめってもう日常じゃないですよね。むしろ唐揚げとかが日常で、日本中同じような食べ物を囲んでいると思うんですよ。だから、理想を求めて田舎に来ても、実際は違うんですよね。
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>遠藤邦夫
一九四九年、岡山県生まれ。
水俣で地元学に触れ、唯物論者から
海山川をうろつくおじさんに転向。相
思社のグリーンツーリズム部門担当。
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- 遠藤
- 民泊で、お金をもらうお客さんを迎え入れるとなると、日頃食べてるものを出すわけにいかなくなっちゃうんだろうな。この布団でいいのか、この部屋でいいのか、大変だからもう来てもらわんほうがよかってなるかも。そこら辺をどうクリアするかだな。
- 天野
- 農家はいろんなものを作ってるけんが、「分けて下さい」「じゃあ、分けてあげましょうか」というくらいの感じなら長くつき合えると思うとです。
- 小里
- おすそ分けの関係でしょうか。それを超えちゃうと無理が生じるのかもしれませんね。
- 遠藤
- 適正規模。それを考えていかないと、大きな投資なんかしたら、それに振り回されて楽しくなくなっちゃうんじゃないかな。
- 神沢
- グリーンツーリズムというのは、元からある普通の暮らしを見てもらうということが出てますけど、そういう風にお金をかけていくと普通じゃなくなっちゃうということでしょうね。
- 遠藤
- それと、ある程度滞在してもらわないと、お互い関係もできないよね。
- 天野
- 大根の収穫なら収穫って、よかとこだけ見せようとするんじゃなくて、ほんとは収穫までの苦労が大事なんでしょうけど。
- 小里
- 何度も来てもらえる関係とかね。
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>小里アリサ
一九六一年、長野県生まれ。
職員研修に参加できず、イノシシ鍋を
食べ損なったのが痛恨の極み。グリー
ンツーリズム部門の担当として、食の
分野を探求したいともくろんでいる。
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>水俣がつくるグリーンツーリズム
- 久木田
- 天野さんが今やってらっしゃることは、私たちから見れば、環境を考えているところに結びついていると思うんですが。
- 天野
- そうですね、何をすればいいのかということは分からんかったです。ただ、基底には山の上に住んどるけど、同じ水俣でやっぱり水俣病というのがどっかにあったですね。ただモノを作って売るという農業だけではおもしろくない。もうちょっと喜びというかやりがいのあるようなことをしたくて、有機農業という形は自然と出てきたですね。二〇年の試行錯誤の中で、品物だけじゃなくて人との出会いがだんだんおもしろくなってきたし、環境という面で農村とか農家が今、一番大事な場所におるかなあと思うです。
- 遠藤
- 水俣病のあるところにもないところにも人の暮らしと自然があって、その人の暮らしと自然の関連性のなかで水俣病も一つの要素としてみてもらう。それを水俣に住んでいる人たちがどういう風に考えてどういう風に再生していくか。それが水俣のグリーンツーリズムの基本テーマになってしまえば、僕らの口から「水俣病が」と言わなくても、天野さんちに泊まった人が、近代社会が云々ということがちょっとずつ気になりだすんじゃないか。そのためにはグリーンツーリズム自体がおもしろい、楽しい、ためになるみたいなことだと思う。
- 神沢
- 私なんか、水俣に来たこと自体グリーンツーリズムじゃないかと。都会で、水俣病事件を通して現代社会が云々、ということを考えてたわけですね。それで、「近代工業の負の面というだけでなく、今の都会の生活とはちょっと違った、元からあった自然と結びついた豊かな暮らし。そういうものを水俣病事件は提示して現代社会を問うている」とか本に書いてあるわけですよね。でも、それが頭の中だけではいやだという感じがあって。通りすがりの旅だとそれは非日常でしかないわけですけど、一度こちらに来て、住むことによって日常としての水俣を過ごして何かを感じられるところはないかなと。
- 遠藤
- 永い旅になるな、それは。まあ、難しいことを先に出すんじゃなくて、やっぱりおもしろい餌で釣るというのが大事なわけで。「天野さんちに行くとイノシシ鍋が食えるよ」というと「行ってみようかな」と思うけど、そういうちょっと心ひかれるような仕掛けとか、来る人の目に触れないように深く沈めて置いておもしろいうことをやるというのが大事かな。
- 小里
- 最初に来た人は大変かもしれないけど、水俣では今、グリーンツーリズムを一緒に創っていくおもしろさが味わえる、ということでしょうか。今日は長い時間ありがとうございました。
今年は、水俣に初めて触れる入門コースとグリーンツーリズムの実践コースを開催します。どちらも水俣を満喫できる企画です。この夏、水俣を肌で感じませんか?
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>恋路島で遊ぶ
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●第1回 初めての水俣
内容:水俣病を歴史的事件としてだけではなく、日常の暮らしに触れながら感じとるツアーです。オプショナルツアー(op)では、水俣山間部、久木野で川と山の体験を通して、私たちの暮らしと水について考えます。
期間:7月29日(水)〜31日(金)/2泊3日 宿泊 相思社
op 7月31日〜8月1日(土)/1泊2日 宿泊 久木野ふるさとセンター愛林館
日程:29日 13時水俣駅集合 まちめぐり・水俣病事件初級講座
30日 水俣近郊の漁村、女島で患者のお話・無人島で魚料理と海遊び・水俣に住んでいる人と語る
31日 水俣病歴史考証館見学・感じたことや考えたことを話し合う
13時相思社解散
op:7月31日 水俣川を歩いて遡る・愛林館で山と山村の話を聞く
8月 1日 山仕事体験・寒川水源散策 14時頃解散
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>久木野で山仕事
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●第2回 みなまたグリーンツーリズム
※第2回目のオプショナルツアーは都合により中止となりました。(1998年7月22日・追記)
内容:人と出会い、語り、水俣のおいしいものを食べて素敵な自然で遊びます。
期間:8月7日(金)〜9日(日)/2泊3日 宿泊 石飛民泊、相思社
op 8月9日〜10日(月)/ 1泊2日 宿泊 相思社
日程:7日 11時相思社集合 久木野周辺を歩く・泳ぐ・遊ぶ・石飛で宿泊
8日 石飛散策・農産加工体験・久木野で山仕事体験
9日 水俣湾に浮かぶ森、恋路島に渡る・感じたことや考えたことを話し合う
13:30相思社解散
op: 9日 魚料理体験・地元の人と共に水俣のこれからを語る
10日 帆に風を受けて漁をする打瀬船に乗船し、不知火海を満喫する
13時頃解散
費用:各回18900円(維持会員16800円)/オプショナルツアー 10500円(税込)
募集人数:各回15人(最少実行人数 5人)
※スケジュールは天候などにより変更することがあります。
※詳細はお問い合わせ下さい。
季節が巡り、今年も無農薬の新茶が入荷しました。生産者は、水俣の松本淳さんと球磨郡相良村の宮崎成正さんです。新茶ならではの味と香りをお楽しみ下さい。一口飲めば、納得の品質と価格です。
ご注文は、下記へお願いします。代金は品物到着後、同封の郵振用紙でお振り込み下さい。
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規格
100グラム
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1000円
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200グラム
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1800円
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500グラム
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4000円
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(送料・税別)
Email 
熊本県水俣市袋34
tel 0966-63-5800
fax 0966-63-5808
グリーンツーリズムは新しい旅の形。
相思社は、水俣病とグリーンツーリズムを
一体として提案します。
水俣を暮らし風土から、眺め、体験し、味わい、語らう。
水俣病は政治にも医学にも収まらない、
生活の中の出来事です。
相思社の今できること
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>浜辺で自然体験
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>水俣病フィールドツアー
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>暮らしに触れる
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グリーンツーリズムは進化中の業務です
ニーズが現場を育てます
@ガイドのみの場合(4時間)
8400円
車使用の場合(4時間)
10500円
Aコーディネート
応相談
B資料販売(考証館・送付可)
・地域資源マップ(1000円)
・水の経絡図(2000円)
・環境ツアーマップ(500円)
・水のある風景 水俣(500円)
・「私の地元学」吉本哲郎著(1325円)
C情報提供(現時点では無料)
・宿泊
・交通
・施設
・スポット等
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