財務大臣 谷垣禎一 様
公害健康被害補償給付支給事務費交付金に関する申し入れ
一一月八日付の朝日新聞によれば、「財務省は・・・地方自治体への補助金を・・・廃止したり、地方の一般財源に振り替えたりするように各省庁に求める方針を固めた」とあり、その検討対象に「公害健康被害補償給付支給事務費交付金」(以下、「事務費交付金」という)もあげられていました。このことにつきまして、私たち水俣病患者は驚くと同時に大きな危機感を持ちました。
公健法は「・・・健康被害に係る被害者等の迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的」としています。水俣病患者は老齢化し、多くの患者は発病当時より加齢により症状が重篤化し、医療その他の補償・対応が旧来よりさらに迅速に行われる必要があります。そのためには「事務費交付金」は不可欠のものであります。
また、水俣病に限りませんが、公害発生、拡大の責任は原因企業だけではなく、国・県等の行政にもあります。そのことは水俣病の歴史を見れば明らかではあります。そういった経緯も公健法並びに「事務費交付金」の趣旨に含まれています。
私たちは一般論として補助金の廃止や一般財源化を否定するものではありません。しかし、「事務費交付金」は単なる地方自治体への補助金ではありません。もし、「事務費交付金」が廃止されたり、一般財源化されたりすることになれば、公害被害者の生活を脅かすだけではなく、公健法そのものを否定することにつながります。それはまた一九九五年一二月一五日の総理大臣談話「水俣病の原因の確定や企業に対する的確な対応をするまでに結果として長期間を要したことについて率直に反省しなければならないと思う。私はこのような悲惨な公害は、決して再び繰り返されてはならないとの決意を新たにしている」をさえ否定することにもつながると言えます。
私たち水俣病患者は「事務費交付金」の廃止や一般財源化を思いとどまるよう、強く申し入れます。
二〇〇三年一一月二六日
水俣病患者平和会 会 長 石田 勝
水俣病患者連合 会 長 佐々木清登
水俣病被害者の会全国連絡会 代表委員 森 葭雄
幹事長 橋口三郎