関西訴訟最高裁判決とその後

最高裁判決に至るまでの経緯
和暦 内容
1980 昭和55 5 21 水俣病被害者の会が3次訴訟を提訴(初の国賠訴訟)
1982 昭和57 10 27 関西訴訟提訴(県外初の国賠訴訟)。原告59人
1992 平成04 12 07 大阪地裁が和解勧告。国・原告は和解を拒否
1994 平成06 7 3 1審判決(大阪地裁)。行政の責任を認めず。原告患者59名中42人に350〜850万の賠償命令。12人に除斥期間を適用(原告・チッソ控訴)
1995 平成07 -- -- 原告、水俣病政府解決策を拒否し訴訟を継続
2001 平成13 4 27 2審判決(大阪高裁)。水質2法を適用すべきだとし、1960年以降について国・熊本県の責任を認める。原告51人に対し1人あたり450万〜850万の賠償命令。原告7人を棄却(国・熊本県と原告の1部が上告)
2004 平成16 3 31 最高裁、上告受理と口頭弁論開始を決定
7 5 最高裁で口頭弁論
10 15 最高裁判決。1960年以前に被害地域を離れた患者を除き、国・熊本県の責任を認める(国・熊本県の行政責任が確定)
判決後の経緯
和暦 内容
2004 平成16 10 15 関西訴訟訴訟団(※1)、環境省と初交渉。全ての司法認定患者への療養費等の支給、52年判断条件の誤りを認めること、認定制度を見直し疫学研究に基づく患者救済の実施、不知火海沿岸1体の環境・健康調査の実施を内容とする要請書を提出。小池環境大臣は謝罪
15 環境省、「判決は公害健康被害補償法に基づく認定基準を否定したわけではない。大阪高裁が認めたメチル水銀中毒による健康被害と公健法による水俣病とは質的に違う」と認定基準見直しを否定
15 潮谷義子熊本県知事、最高裁判決が認定業務に影響することの認識を示す
16 水俣病出水の会(尾上利夫会長)、国賠訴訟提訴を考えていることを表明
17 水俣・芦北の未認定患者が集団認定申請の方針を表明
19 関西訴訟訴訟団、熊本県と初交渉。潮谷知事は「心からおわびを申し上げたい。被害の拡大を食い止められなかったことを深く反省する」と謝罪。訴訟団は要請書を提出(10.15環境省宛要請書と同内容)
21 民主党、水俣病対策ワーキングチーム(松野信夫座長/民主党WTと呼ぶ)を設置
25 伊藤祐1郎鹿児島県知事、「従来の国の認定基準と訴訟のレベルで違った価値判断が出た。環境省は認定基準の2重基準を整理してほしい」と表明
26 潮谷熊本県知事、認定業務について「現行のまま続行に疑念」と表明
27 出水市(鹿児島県)で2人が認定申請(最高裁判決後初)
28 水俣の女性が認定申請(最高裁判決後、熊本県では初)この後、鹿児島・熊本両県への認定申請が相次ぐ
30 熊本県認定審査会の任期切れ。県は全委員の委嘱を見送り、空白状態となる
11 09 熊本県認定審査会の岡嶋前県審査会長、「審査に意味が見いだせない」と再任に難色を表明
09 民主党WT、原田正純氏と今後の課題などについて意見交換
12 熊本県、関西訴訟の原告団や認定患者や95年政府解決策の対象外となっている未認定患者に対する医療費の支給、不知火海沿岸の環境・健康調査などを内容とする水俣病対策案を作成。環境省、熊本県の対策案に「寝耳に水」と戸惑い、「有効性や根拠に問題がある」と疑問を呈す。被害者の会や患者連合は熊本県案を評価。関西訴訟訴訟団は「不10分」と批判’潮谷知事、小池環境相に対し、認定業務について「県として非常に苦慮している」と述べる
17 水俣病互助会(上村好男会長)ら、熊本県に対し、被害者への謝罪や行政責任の検証などを求める要望書を提出。潮谷知事は「胎児性患者のみなさんら1人ひとりの所へ足を運び、直接おわびしたい」と表明
17 熊本県、対策案を県議会厚生委に正式提示
19 公明党、水俣病対策小委員会(木庭健太郎委員長、江田康幸事務局長)を設置
24 関西訴訟訴訟団と環境省との交渉(第2回)環境省、「認定制度見直さず」と回答し、協議は平行線。1方で原告側の要請を受け、死亡原告宅などを年内に訪れ直接謝罪する考えを示す
25 熊本県議会、県の対策案を基本的に了承。ただし、「国と1体となり実施する」ことを求め、県単独での実施を否定
26 環境省、責任のあり方を整理し今後の対応などを検討する第3者機関設置を決定
26 公明党小委員会初会合、熊本県案を軸に救済策を検討する方針を確認
29 熊本県、熊本懸案を正式に環境省に提出。実務者間で協議開始を決定
30 患者3団体(※2)、熊本県へ要求書を提出。要求内容は、全被害者への明確な謝罪、全被害者の救済に向けた特別立法の策定、被害者・被害地域の総合調査と実態把握、関西訴訟原告と2次訴訟原告の医療救済の4項目
30 最高裁判決後、熊本県への認定申請が100人を越す
30 民主党WT、井形昭弘元中公審専門委員長から意見聴取。井形氏は最高裁判決で「メチル水銀中毒症」と認めた原告を環境省が「水俣病」と認めないことについて「メチル水銀中毒は水俣病。詭(き)弁だ」と述べ、同省の姿勢を批判
12 02 患者4団体(※3)が自民党小委員会(松岡利勝会長)、民主党WT、公明党小委員会と会合し全被害者の救済などを求めて「水俣病特別立法」の制定を要請。松岡委員長は「地元の動きは重く受け止めており、関係者の意見を整理し、党として検討していきたい」と、公明党の木庭小委員会委員長も「政治の役割は理解している。全面解決に向けて努力したい」などと述べた。民主党WTの松野座長は「環境省の動きの鈍さを感じている。ハンセン病の特別立法などを参考に新たな法律の制定を目指したい」と述べ、特別立法に意欲をみせた
03 患者4団体が共産党や熊本・鹿児島・新潟の国会議員に「水俣病特別立法」の制定を要請
03 患者4団体、環境省へ要望書を提出、小池環境相に特別立法制定など要望。小池環境相の謝罪に誠意が認められないとして、患者側は反発
03 自民党小委員会、水俣を視察。「これまで通りの対応ではいけない、新たな状況が生まれた」との認識を示し、熊本県案について「県、国の協議を見守りながら、国政の立場で調整を図りたい」「国、県、政治が1体となって問題を整理したい」と述べる
05 民主党WT、水俣視察。患者3団体・水俣病出水の会などと意見交換。松野座長は「特別立法を柱とした党の対策案を来年2月にはまとめたい」と述べる
05 自民党小委員会松岡委員長、熊本懸案実現に前向きの発言
05 関西訴訟訴訟団、熊本県と交渉(第2回)。熊本懸案に対し、認定基準の見直しを棚上げにしているとして反発
06 民主党WT、江口隆1水俣市長や潮谷熊本県知事と意見交換。江口市長は「歴史的に紆余曲折があり、水俣にはさまざまな立場の人がいる。市民の間に再び混乱が起きないよう配慮してほしい」と要望
07 小池環境相、療養費支給などには「できるだけ早く」対応したいと表明
07 関西訴訟原告団、環境省に要請書を提出
08 潮谷熊本県知事、定例県議会で水俣病対策実現の決意を表明
09 環境省と熊本県が水俣病対策について初協議。公明党小委員会に環境省が方針説明。年度内にも関西訴訟や2次訴訟原告への療養費支給などを実施する方向で検討を開始する、熊本県とも協力の方向を示す環境省が姿勢転換を示す。
09 潮谷知事、胎児性・小児性患者4人を訪ね、患者・家族に直接謝罪
10 公明党小委員会、水俣視察。患者連合・被害者の会、江口市長と意見交換。江口事務局長は「当面は熊本県と環境省との協議を見守る」と語る
11 環境省の滝沢秀次郎環境保健部長らが初めて関西訴訟原告宅を訪れ、謝罪
13 炭谷茂環境事務次官、患者救済案に対して、「来年度予算に新たに盛り込むことはできないが、新規予算にとらわれず、できることがあれば工夫してやっていきたい」と柔軟対応の考えを表明
13 滝澤環境保健部長、関西訴訟原告宅を訪問し謝罪
14 自民党小委員会で、多くの議員が「国と調整不足」と熊本県の対応を批判
16 水俣病出水の会、潮谷知事に認定基準の見直しを要望
17 水俣市議会厚生委委員会、未認定患者の救済求める陳情を採択
20 共産党国会議員題水俣病問題プロジェクトチーム(責任者・仁比聡平参院議員)、水俣視察。患者連合・被害者の会、水俣市助役らと意見交換
20 鹿児島県への認定申請が13年ぶりに年間100件を越える(2003年度は4人)
22 水俣病出水の会、熊本県に「認定基準の緩和」を求める要求書を提出
22 熊本県への認定申請、最高裁判決後だけで200人を超す。うち、8割が初申請。また、32人は保健手帳対象者
22 環境省と熊本県の第2回協議。個別テーマに踏み込んだ話し合いとなったが、具体的な結論には至らず。環境省は熊本・鹿児島県、関西訴訟原告団、患者団体、政府・与党との調整を進め、2005年1月末をめどに対策案を作成する意向を示した
22 熊本県、関西訴訟原告に対し、「療養費支給は熊本県単独ではできない」と回答
24 水俣病出水の会の104人が集団で鹿児島県に認定申請。判決後の鹿児島県への申請数が200件を超した。同県の申請者が200人を超えたのは1986年度以来18年ぶり
24 2005年度予算案に新たな対策費の予算計上は間に合わず。環境省は対策案がまとまれば、現行の総合対策事業などの予算枠内で当面の療養費支給などをねん出する方針を示す
28 関西訴訟原告・弁護団と全国連が合同で熊本県に対し療養費の支給を要望
2005 平成18 1 3 (熊日報道)潮谷知事が2006年度政府予算に間に合わせるため、7月までに対策案をまとめる考えを表明
2 5 「水俣病被害者芦北の会」設立
20  「水俣病不知火患者会」設立
3 22 患者六団体(連合・被害者の会・新潟被害者の会・互助会・関西訴訟原告団・不知火患者会)、各党国会議員への要請及び環境省へ申し入れ。保健手帳所有者及び新しい認定申請者に医療費の全額支給などを要求
29 民主党、水俣病特別立法などの対策案を提示
30 連合ら六団体及び平和会、環境省青木室長と会合。保健手帳所有者及び認定申請者に医療費の全額支給の方針を確認
31 国と熊本県との負担割合が八:二に決定。
4 7 環境省「今後の水俣病対策について」と「水俣病問題に係る懇談会設置」を発表
5 1 水俣病犠牲者慰霊式において、小池環境大臣が全患者に謝罪。その後、新三団体(水俣病出水の会・水俣病芦北の会・水俣病不知火患者会)と水俣で、患者連合・被害者の会と御所浦で会合
潮谷知事、慰霊式の後、相思社を訪れ、考証館を見学
6 患者団体と民主党ワーキングチームとの意見交換会(水俣市もやい館にて)
6 11 患者団体と共産党・市田書記局長らとの意見交換会
30 芦北・津奈木・御所浦・水俣で水俣病対策説明会
30 患者団体と環境省との意見交換会(水俣病情報センター)
7 5 新潟から旗野秀人さん・渡辺参治さんが来水(~7日)
6 連合、旗野さん・渡辺さんと交流会
15 連合、被害者の会と会合(環境省申し入れについて検討)
21 環境省、連合・被害者の会・平和会からヒヤリング(水俣病情報センター)
26 水俣病問題に係る懇談会、水俣現地視察
27 連合・被害者の会・新潟被害者の会、環境省に統一申し入れ
29 水俣病公式確認50年事業実行委員会、発足。第1回会合
8 8 熊本学園大学水俣学現地研究センターオープン記念式典
22 環境省、連合ら患者団体からヒヤリング
9 16 環境省、連合に保健手帳の概略について説明会(相思社)
16 連合、被害者の会との会合
26 認定申請者、熊本・鹿児島両県で3,000人を超える
28 環境省、連合ら患者団体に対し保健手帳について説明会(情報センター)
10 3 不知火患者会、50人が国・県・チッソに対し提訴
5 環境省・熊本県、保健手帳についての説明会(一般向け、~6日)
12 相思社、法要会
1116連合・平和会・被害者の会、会合(環境省申し入れについて)
12 6 連合ら三団体、環境省に申し入れ
10 連合、総会・忘年会(御所浦・松苑)


水俣病センター相思社作成(2005年11月30日現在)