命限りある日まで
−水俣病・障害との闘い−
御手洗鯛右・著
孤独な闘いの教訓・・・熊本学園大学教授・原田正純
御手洗さんが棄却取り消しの行政訴訟をおこしたのが一九七八年(昭和五十三年)十一月八日であったから、その前にすでに認定申請、棄却、行政不服審査請求と闘いは続いていたことになる。そして控訴審でも勝利して行政認定されたのは一九九七年(平成九年)三月二十六日であったから、まさに四半世紀の闘いであった。
その闘いがいかに厳しいものであったかは、途中で精神的なバランスを乱した時があったことでも分かる。並みの神経の持ち主なら当然であった。しかし、御手洗
さんはついに持ちこたえて闘い通してきた。
間違いの始まりは専門家という者たちが水侯病のことを本当に埋解していなかったからである。
氷侯病は環境汚染による全住民の中毒である。したがって、胎児から老人、健康な者も、もともと病気をもった者も等しく汚染されたのである。もし、脳便塞や糖尿病があったらメチル水銀に強いということが明らかになったとしたら、それこそ重大発見である。それが水俣病(公害病)であるという墓本的なことが分かっていなかったのである。そのためにかくも長く闘わねばならなかったことは人権侵害以外のなにものでもない。どう貴任をとるのだろうか。
困難な状況での長い孤独な闘いの記録が出版されると聞き期待している。それは多くの人に不朽の希望と教訓を与えることになる。水俣病に関する本は多く出たが、患者自身による白伝は初めてである。
「命限りある日まで−水俣病・障害との闘い−」 目次
- 第1章 ポリオとの闘い−−−−−幼年時代
- 第2章 母の料亭経営−−孤独な少年時代
- 第3章 学校に行きたい−−戦時下の別れ
- 第4章 貧苦のどん底で−−−−青年時代
- 第5章 全国一周行動−−−励まし励まされ
- 第6章 仕事、そしてまた病気−−壮年時代
- 第7章 水俣病との闘い−−−長い長い裁判
