チッソ(JNC)は九州内に水力発電所を13箇所持っています。その電気は水俣工場や水光社(チッソ系列のスーパー)や社員住宅で使われています。それでも全発電電力の3割程度で、残りは九州電力に売電しているそうです。
13箇所中10箇所が戦前に造られたものですので、産業遺産のようなものですが、遺産ではなくどれも現役なのです。(修理中で停止しているのもあります)
チッソは総延長161kmにおよぶ送電線も所有しており、すべて水俣工場に繋がっています。どの発電所も無人で、水俣工場で遠隔監視制御しています。
どれも「流れ込み式」で、河川を堰き止めるダムはありません。上流で取水したものをパイプで運び、段差のあるところでパイプで一気に落とし、タービンを回します。
せき止め式より出力は劣りますが、定期的なダムの浚渫などの手間がないので、メンテナンス性に優れています。
これらの「生ける産業遺産」チッソ発電所群を、個人的に全部巡ってみようと思いました。遠いところもあるので時間がかかるかもしれませんが、コンプリートを目指します!
第一回は、川辺川第二発電所。
運転開始:1935年
出力:8879.8kw。
所在地:〒868-0101 熊本県球磨郡相良村大字四浦西540
2013年より各発電所で大規模改修工事が行われ、ここは2017年11月に運転が再開されました。
球磨川の支流である川辺川にそって県道445号線を北上していくと、川が蛇行している内側にその姿を見ることができます。
なお、さらに上流に川辺川第一発電所がありますが、これは最初からチッソのものではありません。現在は九州電力所有です。
(取材日:2020/06/07)
(JNCホームページより)