水銀が減った新年

2021年になりました。
あけましておめでとうございます。

今年は帰省せずに水俣でのんびり新年を迎えました。
ひとりでお餅を食べ過ぎたせいか、体(と頭)の動きが鈍い仕事はじめです。

さて、この新年は水俣条約にとってひとつの区切りでした。
条約で規定されている水銀を使った製品の製造と輸出入を規制する期限が、2020年の年末だったのです。

水銀に関する水俣条約は、環境に放出される水銀を減らすためにライフサイクル(採掘~処分)で包括的に規制するための国際的な取り決めで、2017年に発効して今は126か国が批准しています。

第4条が「水銀添加製品の製造」についての条文になっていて、付属書AのⅠに関連する水銀添加製品のリストが載っています。水銀を使った電池、化粧品、蛍光ランプ(規定量以上の水銀を使うもの)といった製品が並んでいますが、そこに書かれている製造・輸入が廃止される期限は2020年となっています。

ということなので、条約を批准した国は、水銀を使った製品の製造と輸出入を2020年末で終了できるよう国内で規制しなくてはなりません。しかし、条約は、「みんなでがんばろー!おー!」に賛成した国の指切げんまん的な約束(=約束をやぶっても本当に指を切られることなはいが、冷ややかな目で見られたり「なんで約束守ってないんだろ?大丈夫かな?」と心配されたりする)なので、もし年末までに規制が整わなかったからといって、何か処罰されるわけではありません。新型コロナの対応に追われ、計画通りに規制できなった国もありそうな気がします。

日本では、水俣条約に対応するために作られた「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」が条約発効と同時に施行されています。この法律では、消毒液のマーキュロクロム、ボタン電池のアルカリマンガン電池、水銀ランプ、水銀を使った血圧計や体温計などの計測機器の製造が2020年末で規制されているので、今年からは禁止ということになります。

年末には、消毒液「赤チン」(マーキュロクロム)製造終了を伝えるニュースもありました。

日本の蛍光灯は、使われている水銀量がごく微量なので規制の対象外なのですが、LEDが普及して蛍光灯の照明器具や蛍光ランプの製造量は減っているので、そのうちLEDと入れ替えが進むのだろうと思います。

私が中高生だったときの体育館は「水銀灯」が使われていて、点灯に時間がかかるので間違って消してしまうとと5分ぐらい薄暗かった記憶があります。この「水銀灯」も製造終了になっているので、LEDライトへの切り替えが進んでいるのかな。

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