水俣市侍地区出身の鬼塚巌さん(1928-1998)は、一家の父として、チッソ工員として、地域と自然を愛する住民として、様々な記録を残しました。変わりゆく水俣の町と職場の工場、変わらぬふるさとの春夏秋冬、浜辺のカニや小さい生き物たち。そして労働争議と水俣病へ…なぜ鬼塚さんはそれらを記録し、編集し、残したのでしょうか。写真、映像、スクラップブック、ノート、肉筆から、鬼塚巌さんの足跡と目線をたどり、記録の持つ可能性を探ります。
鬼塚さんが撮影した懐かしい水俣の風景の写真も展示します。ぜひご来場ください。
2022年2月4日(金) ~ 2月15日(火)
入場無料 (考証館常設展示は有料)*水俣周辺地域住民は常設展無料です
昨年、相思社はコロナによって通常の業務が難しくなり、資料整理に力を注ぎました。熊本放送文化振興財団、ふくおかフィナンシャルグループ文化芸術財団 ふるさと振興基金、熊本・水俣みらい基金の助成を受け、鬼塚巌さんのフィルムの整理やデジタル化を行い、その成果の一部を展示しています。
関連企画① 8ミリフィルム上映会
鬼塚巌さんは、8ミリフィルムの映像作品も多く残しました。
今年度デジタル化を行い、作品がよみがえりました。
鬼塚さんと当時を共にした人をゲストにお招きし、いっしょに作品を鑑賞したいと思います。
上映場所は相思社集会棟です。人数把握のため来場希望者はご連絡ください。感染症対策のため、人数制限を行う場合もあります。オンラインの同時配信も行いますので、遠方の方もぜひご参加ください。
2月7日(月)14:00-
上映作品
・「第43回チッソ株主総会 同行記録」 (モノクロ・無音声)
ゲスト:山下善寛さん
聞き手:坂本一途(相思社)
1971年5月、チッソの株券を購入し株主となった患者らは株主総会に出席するために大阪に向かいました。鬼塚さんのフィルムには、白装束に身を包む患者たちの中で、胎児性患者を背負う山下善寛さんが写っています。株主総会はどのような雰囲気だったのでしょうか?なぜ山下さんが胎児性患者を背負っていたのでしょう?御詠歌や装束の準備はどうやって?記録を撮った鬼塚さんはどんな人?映像をみながら、当時のお話しを伺います。
2月22日(火)19:00-
上映作品
・「東京勧進」(カラー・無音声)
ゲスト:遠藤寿子さん、近沢一充さん
聞き手:永野三智(相思社)
渋谷の歩行者天国にはためく「怨」の旗。水俣病患者が裁判でチッソ幹部の証言を聞くために上京し、東京の支援者とともにカンパを集めています。突如現れるのは、ニワトリ?!白装束に身を包んだ患者たちが向かう先はどこでしょうか?日吉フミコさんと浜元二徳さんの貴重な解説音声も交えて、当時のことを聞きたいと思います。
オンライン参加の方法
メール(info@soshisha.org)にご連絡ください(当日正午まで受け付け)。
相思社からZOOMのリンクをお送りします。
関連企画② 8ミリフィルム作品YOUTUBE公開
鬼塚さんの8ミリフィルム作品の中から、カニと四季を題材にした2作品をYOUTUBEで2月28日まで公開しました。