まだ皆さんへのコメントのお返しもしていないのに書いちゃってごめんなさい。
今日、熊本県環境生活部の部長が、溝口秋生先生のお母さん宛に「水俣病認定通知」を持って相思社へやってきました。39年待たせたのち、部長が溝口先生と面会した時間は5分でした。
先週金曜日に認定を受け、金・土・日と取材やチッソとの面会や、先生の心休まる日はまだ遠そう。通訳に行く度「みっちゃん疲れたばい」という言葉が出るのが心配です。一日も早く終わらせて、ただただ幸せな暮らしを取り戻してもらいたい。
溝口先生は県の部長に問いました。
「今日まで39年間、なぜこんなに長い間、かかったとですか」「なぜ放置できたっですか」。部長は頭を下げ続け、結局先生の質問に答えることなく帰っていきました。
その後の記者会見でも、先生は記者に問いました。「なぜこんなに長くかからんばならんかったち、あたたちは思うな?」
溝口先生は、環境省でも熊本県庁でも、決して声を荒げることはしませんでした。声を荒げたのは、私たち支援者のほうです。
先生は穏やかに、諭すように、相手に「考える」ことを求めました。
環境省職員へ「あたたちはなぜ、水俣病が57年も解決しないと思いますか。ひとりずつ答えてください」と問いました。5人いた環境省職員は、誰も答えられませんでした。
判決を聞いた先生は青年のように笑いましたが、交渉で仙人のようでした。
「考える時間」は、とてもとても重い空気でした。
その重い時間を、環境省職員は、熊本県職員は、マスコミは、支援者は、どう捉えたでしょう。5分でも考えてもらえれば、被害者の苦しみは理解できるはずです。この問いは、私たち一人ひとりに向けられています。
先生と対峙していると自分の言動や行動が軽く思え、立ち止まることがあります。この感覚は、私にとっての財産です。先生との時間、先生の言葉の一つひとつをこれからも大切に過ごしていきたいです。
明日は県知事が先生のご自宅へやってきます。
何をしに来て、何を語るのでしょうか。
「なぜ39年もかかったのか」「なぜ水俣病事件は57年も解決しないのか」の問いに知事は答えられるでしょうか。
写真は相思社仏壇の前での昨日の記者会見。記者に水俣病事件が解決しない理由を問う溝口秋生先生。
撮影は相思社・葛西伸夫さん。
http://kumanichi.com/news/local/main/20130422007.shtml
http://mainichi.jp/select/news/20130423k0000m040067000c.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20130422-OYT8T01448.htm
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