溝口訴訟、勝訴!

さっき(夜11時頃)、溝口訴訟の判決や環境省交渉や県庁交渉を終えて水俣へ帰ってきました。怒涛の、夢のような、二日間でした。
溝口先生に、本当にお疲れ様でしたと言いたいです。昨日や今日だけじゃなくて、四十年間。

最高裁判所の判断は、原告側の全面勝訴でした。勝訴判決を隣の先生の耳元に伝え抱き合ったときの先生の温かさと「あー」という言葉にならないため息のような安堵の声。素晴らしい判決でした。

先生にとっての四十年の苦しみは、決して報われるわけではないし、時間が戻るわけではありません。Fさんのように道半ばで亡くなった方や、元気だった先生が年々体が弱って行かれ今や耳がほとんど聞こえなくなったことを考えると、裁判にかかる時間はあまりにも長すぎ、患者へ苦痛を与え続けました。

裁判というのは、非日常です。先生はこの11年間、常にその非日常の中にいました。小さなコミュニティで裁判を起こすというのは生活そのものに大きな影響を及ぼし、相当な勇気と気力が必要です。

だからこそ、最後の最後の判決が勝訴だったことはかけがえのない事実で大きな喜びです。

先生は判決前、「これで敗訴なら、もう日本には法はない」と言いました。日本には、まだ法がありました。希望がありました。

裁判が終わったから、補償を受けたから終わりではありません。患者の生活は続いていくのです。裁判が終わってからが重要だと思ってます。

勝訴してこの後、先生は別の意味の非日常を味わうことになると思います。県知事の謝罪訪問、チッソとの補償協定締結、報告集会、祝賀会、マスコミからの取材、それに対しての小さなコミュニティー内での常にある目は優しいものばかりではありません。

溝口先生が、判決後の生活を、普通に近い状態で送れるように、一日でも早く先生自身が暮らしを取り戻せるように、寄り添い杖になっていきたいです。

そしてこの後の人生を、ただひたすらに、愉しく幸せに暮らしてもらいたい。

裁判のまとめはまたアップしたいと思います。また、たくさんのメッセージをいただいてありがとうございます。明日お返事をさせてください。
みなさん、本当にありがとうございました。おやすみなさい。

最後に、溝口先生と、この裁判にかかわったすべての方々に本当に尊敬と敬意を表します。私がこの裁判を知ったのはたった10年前。途中旅をしていたので本格的に関わって5年です。もっとずっと裁判を支え続け見守り続けた方々の存在はすごいです。

http://kumanichi.com/news/local/main/20130416006.shtml

カテゴリー: 活動のきろく パーマリンク

コメントは停止中です。