相思社のまち案内はたいてい2~3人とかそれ以上の大人数グループで依頼されることが多い。割り勘するとだいたい一万円以下となるが、1人で頼まれる方にとっては二万円近い出費となる。単独で水俣に行きたいひとは当然いらっしゃるし、わたしたちもそういう方にも相思社の案内を体験してほしいという思いが予てからあった。それで、この八月から、月に一度のパッケージ型の案内を始めた。ひとり八千円で新水俣集合・解散の四時間案内。水俣病歴史考証館、百間排水口、ヘドロ埋立地、茂道漁港など基本的なコースは外さないが、相思社の案内にはマニュアルが無いので、その職員の知識・経験と感性にしたがって案内をする。水俣病や水俣のまち作りの現在の動きや、自分が水俣病に関わり続けている中で経験してきたこと、見えてきたことなどをお伝えする個性豊かなガイド、という相思社まち案内のコンセプトはここでも継承していく。
果たして、初回は期待通りのハードな水俣ファンが鹿児島、東京、四国、熊本から集まった。水俣にたいする関心が強く深く、どこに行っても牛が水を飲むように案内の内容を吸収してくれた。みなさん前泊・後泊して行かれ、翌日また考証館に来られた方も複数いた。これからは気軽な参加者や、まったくの初心者もお迎えしたい。同じ水俣に関心のある人と出会える旅になるだろう。