きょう6月11日は、水俣病に初期から携わった医師、原田正純の命日です。
お亡くなりになったのが2012年ですから、もう7年経つのですね。
2年前、相思社に、原田さんのお墓参りをしたいのですがどこですか?と大分福岡の中学生から電話がありました。そこで御遺族の方にお訊きしたところ「お墓は水俣湾です」いう回答でした。「え!?」と思ったのですが、散骨されたのだそうです。(中学生はその後水俣に来ました。)
なので、命日になるとご遺族の方々は水俣湾に焼酎を献酒しに行かれるそうです。
原田さんらしい偲び方だなと思いました。
ちなみに焼酎の銘柄は、原田さんの故郷である宮之城(現:さつま町)に蔵のある「紫尾の露」と決まっているそうです。原田さんがずっと愛飲していた焼酎だそうです。
紫尾(しび)とは北薩地域の最高峰紫尾山のことです。
鹿児島空港から出水や水俣まで車で来るとき、どうしても越えなくてはいけない峠です。
ところで、水俣の袋湾のなかにある湯堂という漁港には海底から真水が噴出する「ゆうひら」という現象があります。湯堂はここ以外にも地下水が豊富で、上水道の取水場があります。相思社の水道も水源は湯堂です。
石牟礼道子のエッセーを読むと、紫尾山の地下水脈が湯堂までつながっている、と書かれています。もし本当だったら、相思社の水道も、ある意味「紫尾の露?」。
たしかに相思社の水道は美味しいです。
今どきの地下水は美味しいからといって安心できませんが、嬉しくなる想像です。
いつもは米焼酎なのですが、昨夜は芋焼酎の「紫尾の露」を呑んでみました。
なお、グラスの焼酎の写真はイメージ(水)です。
↓湯堂のゆうひら(水面に円形の模様ができているところが、海底からの真水の噴出)