自然由来重金属類評価研究会の方々を案内

重金属の分析などの調査に関わる方々のフィールドワークで水俣病関連の場所を案内しました。普段は野山をかき分けて試料を集める仕事をされていると聞いたので、茂道では自然海岸に下り、市街地では水光社駐車場からチッソ/JNC正門まで歩く健脚コースになりました。

さすが専門家の方々で、風景や地図を見ては断層論議が始まり、埋立地の護岸工事について細かい質問が出ました。私は自然由来の水銀について主に火山から環境中に放出されていること程度しか知らなかったのですが、岩盤の切れ目から土壌に含まれる水銀が地下水に溶け出す事例や、水銀は蒸気になるため地下に存在すれば大気にも放出されるという解説などお聞きしました。もはやどちらが案内人なのか分からないくらいで、一緒に時間を過ごせたことに感謝です。

自然由来の水銀でも生態系への影響が心配される濃度になれば、暴露経路の遮断や除去などの対処が必要になりますが、水俣病のように原因企業が存在しないので誰が負担するのかという問題もあります。地面をいじくり返して都合のよいものだけ取り出して利用しようとする人間への「そうはいかんぞ」というメッセージのように思いました。当たり前ですが水銀そのものに罪があるわけではないですし、このような物質とうまく付き合っていく技術や考え方をもっと知りたいと思いました。

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