2020年1月21日、熊本県立大学の授業にお招きいただきました。
「新熊本学:地域社会と協働」という基礎科目(昔でいう一般教養)の授業で、昨年に引き続き90分丸々お話をさせていただきました。
熊本県立大学は学生の約9割が熊本出身ということですから、ほとんどの学生が水俣病の授業を受けたことがあるはずです。そんな彼らが聞いて飽きないような話を心がけました。なお、出席した270名の学生のほとんどが総合管理学部と環境共生学部の1年生です。
今回は「水俣病事件を歴史のなかで考証する」と題し、チッソの歴史から日本や世界の近代史を見る、というような主旨で、水俣病年表と、それに関係する日本と世界の近代史の年表を重ね合わせ、歴史を辿っていくという授業をしました。
19年の9月に熊本県民カレッジ「パレアミュージアム」でシニア向けにお話した内容を、今回は今回は大学1年生向けにもっとわかりやすく構成しなおしたつもりでした。
受験を乗り越えてきた学生なので、ある程度の歴史の知識はあるはずと思っていたのですが、昭和を生きてきたシニアたちと18~19の学生では、自身と歴史の出来事との距離が違うわけで、若い彼らに実際どのくらいの理解があったかは未知数です。
ですが、講壇から見える学生たちの表情は真剣で、身を乗り出すように聞いている姿も見えました。昼食を食べたあとの大ホールでの授業だったのですが、寝ている学生はいませんでした。今年もまた良くも悪くも刺激的な授業だったのかと思います。