布団まつりのあとは、資料まつり! 2日間、スタッフ総出で、手付かずで保存していた資料を集中的に整理する作業をしました。
古いものは、昭和31(1956)年の水俣市袋の出月集落の手書き地図と患者の手記、また昭和37(1962)年の安定賃金闘争の資料と新聞記事、第一次訴訟や座り込みが行われた時期の患者の口頭弁論の記録や様々な時期をとらえた写真など。ご縁でいただいてきた資料たちに、各職員、ついつい整理中の資料に読み入り、手が止まってしまうのでした。
この資料群を、当時運動に関わった患者や支援者のもとへ持ち込むと、記憶が呼び覚まされ、語りが生まれます。それを聞いた私たち職員は、水俣病事件の知識だけではなく、幅や深みや意思をもたせてもらうように思います。そして私たちは私たちなりの新たな語りを紡ぐのです。
「人の記憶」に立ち会い、今しか聞けないことを丁寧に聞き取っていきたいと思います。そうしてそれを私たちの言葉で表現をし、次の世代に手渡していきたいと思います。きっと彼らも自分の言葉で、自分の水俣病を表現してくれることでしょう。そのために、相手と自分の楽しさや面白さや幸せを大切にしながら、この活動をつづけたいと思います。
そして私はそれに重ねて個人的に、水俣にいた朝鮮の人々の暮らしを聞きたいとも思っています。
撮影:葛西